「新NISAで高配当株、買い始めたけどこの銘柄でいいのかな…」「他の人がどんな配分で持ってるのか、リアルな数字を見てみたい」——そんなふうに感じたこと、ありませんか?

結論から言うと、ポートフォリオは「他人の正解」をマネしてもうまくいきません。でも、誰かの実際の構成・配当金額・反省点まで見えれば、自分の方針を決める「比較対象」として使えます。

私はFP1級を持っていて、新NISAで高配当株を10年運用してきました。過去には含み損が300万円を超えた時期もあって、「売るべきか持ち続けるか」で何度も葛藤しました。今は個別の高配当株だけで取得額約376万円・年間配当148,036円(税引前・取得額ベースの利回り3.94%)という構成です。投資信託まで含めるとさらに資産規模が広がります。

この記事は年収300〜500万円帯の中所得層に向けて書きました。国税庁の調査によると2024年の平均給与は478万円。「投資にまわす余裕は限られているけど、新NISAで何かしたい」という人が、今の私と同じくらいの規模に到達するまでの道筋がわかる内容になっています。10年運用してきた中での後悔ポイントも書くので、同じ穴に落ちずに済むはずです。

そもそも「新NISAで高配当株」って、年収500万円以下でも意味あるの?

結論:あります。中所得層こそ、新NISAの非課税メリットを活かせる立場です。

通常、株式の配当金には20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%+住民税5%)の税金がかかります。これがNISA口座内なら丸々ゼロになります。配当利回り3%の銘柄を100万円分持っていた場合、課税口座だと年間約2.4万円の手取りですが、NISAなら年間3万円が丸ごと残ります。

「2.4万円も3万円も大差ないでしょ?」と思うかもしれませんが、これが10年・20年積み上がると数十万〜数百万円の差になります。限られた手取りの中から少しずつ積み立てていく中所得層にとって、税金を払わない=投資効率が確実に上がるという意味で、新NISAは強力な制度です。

📌 知っておきたい数字 2024年に始まった新NISAの非課税保有限度額は生涯1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)。年間の投資枠は最大360万円(つみたて120万円+成長240万円)です。年収500万円の人が無理なく月3〜5万円ずつ積み立てるとしても、30年あれば1,800万円の枠を埋められる計算になります。

金融庁のデータによると、NISA口座数は2025年6月末時点で2,696万口座、買付額累計は63兆円に達しています。国税庁の「令和6年分民間給与実態統計調査」では給与所得者数は5,137万人なので、ざっくり働いている人の半数以上がNISA口座を開いている計算になります。「自分はもう乗り遅れた」と焦る必要はないですが、すでに多くの同世代・同年収帯が動いているのは事実です。

運用しているリアルな高配当株ポートフォリオ

ここからは、実際に運用している個別の高配当株ポートフォリオの全体像を公開します。「他の人はどう配分してるの?」という基準があるとラクなので、参考にしてください。

個別高配当株の取得総額 3,762,019円 年間配当総額(税引前・投信および優待を除く) 148,036円 取得額ベースの年利(YOC) 3.94%

※評価額ベースで計算した場合の利回りは3.18%(評価額4,658,214円)。記事内では「自分が買った金額に対していくら配当が返ってくるか」を見るため、取得額ベースの利回り(YOC)を主に使用します。

14 主な保有銘柄数
4 優待もある銘柄
10年 運用歴

ちなみに上記の数字は「個別株のみ・投信は除外・優待相当額も除外」の純粋な高配当株ポートフォリオの数字です。投資信託(オルカンやS&P500)まで含めると総資産はもっと大きくなりますが、まずは「高配当株部分」だけを切り出して見ていきます。

配当金トップ5銘柄(金額ベース)

年間配当148,036円のうち、上位5銘柄でどれくらい占めているか見ていきます。

順位銘柄(コード)業種年間配当(円)配当比率
1位ヒューリック(3003)不動産約20,10013.6%
2位NTT(9432)情報通信約18,90012.8%
3位いすゞ自動車(7202)輸送用機器約18,40012.4%
4位ダスキン(4665)サービス業約11,5007.8%
5位明治ホールディングス(2269)食料品約10,5007.1%

※評価額・配当金は2025年12月時点の数値。実際の配当金額は各社の業績や配当政策で変動します。

上位5銘柄で年間配当の約54%を占めています。「広く薄く分散」というより、不動産・通信・自動車・サービス・食品と業種を散らした上位構成になっています。次の中位5銘柄も見ておきましょう。

順位銘柄(コード)業種配当比率
6位電源開発(9513)電気・ガス6.8%
7位東ソー(4042)化学6.8%
8位長谷工コーポレーション(1808)建設6.1%
9位神戸製鋼所(5406)鉄鋼5.4%
10位アステラス製薬(4503)医薬品5.4%

残りはキリンHD・ヤマハ発動機・イオン・三菱HCキャピタルなど。電気・化学・建設・鉄鋼・医薬品と、トップ5とは違う業種が中位を占めているのがポイント。業種を意識的に散らすのが、配当ポートフォリオを組むときの基本動作です。

投資信託も「補足として」持っている

個別株中心だと、どうしても国内偏重になりがちです。私は別途、つみたて投資枠を中心にeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)も保有しています。

「配当が欲しいなら高配当株だけでいいのでは?」と思うかもしれませんが、20年・30年単位で見ると、世界全体の経済成長を取り込めるインデックス投信のリターンは見逃せません。配当金で「今」の楽しみを、インデックス投信で「将来」の資産を作るという二刀流が、中所得層には合理的だと思います。

優待もある4銘柄を詳しく解説

個別株14銘柄の中で、配当金とは別に株主優待ももらえる銘柄を紹介します。優待は「家計の足し」になるので、限られた手取りを補う意味で中所得層にとって相性が良い特典です。

⚠️ 優待を読むときの注意 株主優待の内容は各社の判断で変更・廃止される可能性があります。最新情報は必ず公式IRページで確認してください。以下の情報は2026年5月時点の公式発表をもとに記載しています。

① イオン(8267)— 「お買い物がそのままキャッシュバック」

イオン株式会社
証券コード:8267 / 東証プライム
優待内容:イオンオーナーズカード(株主ご本人+家族カードの2枚)
権利確定日:2月末日・8月末日(年2回)
特典:イオン・マックスバリュなどでの買い物金額に応じてキャッシュバック
・100株以上:1% / 200株以上:2% / 300株以上:3%
・1,500株以上:4% / 3,000株以上:5% / 9,000株以上:7%
※返金対象は半期100万円までの買い物金額が上限

イオン優待のポイントは、普段のスーパーでの買い物が、株を持っているだけで割引になること。日常的にイオンに行く人なら、年間の買い物額は積み上がります。仮に半期で30万円使うとすると、300株保有で半期9,000円、年間1.8万円の還元です。

さらに毎月20日・30日の「お客さま感謝デー」は5%引きになり、これは優待カードの還元と併用可能。イオンシネマでの映画割引、イオンラウンジ利用権など、生活に密着した特典が多いのも魅力です。

📌 押さえておきたい変更点 イオンは2025年9月1日に1株を3株に分割しました。優待を受けるための最低保有株数は変わりませんが、株式分割前後で「100株」の意味が違うので、過去の記事や情報を読むときは注意してください。

② ヒューリック(3003)— 「グルメカタログギフト」

ヒューリック株式会社
証券コード:3003 / 東証プライム
優待内容:グルメカタログギフト(3,000円相当のカタログから2点選択=計6,000円相当)
権利確定日:12月31日(年1回)
条件:300株以上を2年以上継続保有
※2025年12月末基準日から、優待制度が「保有期間2年以上」に統一されました

ヒューリックは東京23区を中心に不動産事業を展開する会社で、優待はグルメ特化のカタログギフト。お肉・スイーツ・フルーツなど、もらって嬉しいものが揃っています。

注意点として、2025年12月末基準日からは2年以上の継続保有が必須になりました。新規で買った場合、優待は2027年12月末以降のスタートになります(300株の保有を維持した場合)。短期目当てではなく、長期前提で組み込みたい銘柄です。

③ 明治ホールディングス(2269)— 「お菓子の詰め合わせ」

明治ホールディングス株式会社
証券コード:2269 / 東証プライム
優待内容:自社グループ製品詰合せ
・100株以上:1,500円相当
・200株以上:2,500円相当
・1,000株以上:5,500円相当
権利確定日:3月31日(年1回・10月末頃発送)
2026年3月期から長期保有制度が新設:3年以上継続保有で「長期保有感謝BOX」を追加進呈

明治ホールディングスは「たけのこの里」「明治チョコレート」などでおなじみの食品メーカー大手。優待は毎年10月末頃に届くお菓子の詰め合わせです。チョコレートが溶けないように10月発送になっているのが、細やかでいいですよね。

2026年3月期から長期保有株主への「長期保有感謝BOX」が新設されました。「長く持ってくれる株主を大事にする」という会社のメッセージとも読めます。

④ ダスキン(4665)— 「ミスドで使える優待券」

株式会社ダスキン
証券コード:4665 / 東証プライム
優待内容:株主優待券(500円券)
・100株以上:1,000円分(500円券2枚)
・300株以上:2,000円分(500円券4枚)
※3年以上継続保有で増額(100株:1,500円分/300株:2,500円分)
権利確定日:3月末日・9月末日(年2回)
使えるお店:ミスタードーナツ、モスバーガー(一部店舗除く)、ダスキンの清掃サービスなど

ダスキンの優待券はミスタードーナツで使えるのが最大の魅力。週末のおやつ代として、ちょっとしたご褒美として活躍します。資本業務提携しているモスバーガーでも使えるのが地味に嬉しいポイントです。

ただし注意点があり、2026年9月末基準日から「6か月以上の継続保有」、2027年3月末基準日からは「1年以上の継続保有」が条件になります。新規で買う場合は、すぐに優待が来ない可能性があることを頭に入れておきましょう。

このポートフォリオの反省点5つ

ここまでポートフォリオの中身を紹介してきましたが、自分の運用には反省点もあります。むしろここから書く内容の方が、これから始める人には参考になるはずです。

😞 反省点①:30銘柄以上に分散したかった 個別の高配当株は今14銘柄ほど。配当金額ベースで見ると上位5銘柄で54%を占めています。これは「銘柄数は分散しているが、配当金は集中している」状態です。

理想は30〜40銘柄に分散して、1銘柄あたりの配当金比率を5%以下に抑えること。そうすれば、どこか1社が減配しても全体への打撃が3〜5%程度で済みます。今のポートフォリオはヒューリックが減配したら配当が一気に1割強減るので、ここは弱点です。
😞 反省点②:松井証券で始めたこと(SBI証券にすべきだった) 後から考えると、これが最も後悔している点です。私は松井証券をメインで使ってきましたが、「単元未満株(1株から購入できる仕組み)」の使い勝手を考えると、最初からSBI証券にしておけばよかったと思っています。

SBI証券の「S株」は1株から購入でき、インターネットコースなら買付手数料が無料。たとえば株価3,000円の銘柄なら3,000円から始められます。100株単位(30万円)必要な単元株と比べて、はるかに分散しやすいです。

もし最初から1株単位で買えていたら、同じ予算でもっと多くの銘柄に分散できていたはずです。年収300〜500万円帯で月の投資余力が3〜5万円という人なら、なおさら1株単位で買える証券会社のメリットは大きいです。
単元株(100株単位)の場合
予算30万円で買える銘柄:株価3,000円なら100株で30万円。1銘柄で枠が埋まる。
→ 分散しづらい・最低投資額が大きい
単元未満株(1株単位)の場合
予算30万円で買える銘柄:株価3,000円の銘柄を1株ずつ買えば、最大100銘柄に分散可能。
→ 少額から幅広く分散できる

※SBI証券「S株」はインターネットコースの買付手数料が無料(2026年5月時点)。最新の手数料体系は公式サイトでご確認ください。

😞 反省点③:業種・国の偏りが大きい 私のポートフォリオは日本企業に偏っています。日本株は配当性向が高めで優待もある一方、長期的な株価成長は米国株に比べて控えめという課題があります。

「配当をもらいながら株価も上がってほしい」というニーズには、もう少し米国の高配当ETF(VYM、HDVなど)も組み込むべきだったかなと反省しています。
😞 反省点④:もっと早くインデックス投信を増やすべきだった 高配当株は「配当が手元に来る」体験が嬉しくて、ついそちらに偏ってしまいました。でも長期的なリターンを考えると、オルカンやS&P500を主軸にして、高配当株は副菜にする方が合理的だったと思っています。

特に投資余力が限られている中所得層は、「まずインデックス投信で土台を作り、余裕が出てきたら高配当株を足す」順番の方が、リスクとリターンのバランスが取れます。
😞 反省点⑤:「増配を続けているか」をもっと厳しく見るべきだった 銘柄を選ぶときに「今の配当利回りが何%か」ばかりを見ていて、「過去どれくらい増配を続けてきたか」を軽視していました。

今の利回り4%の銘柄より、利回り2.5%でも10年連続増配している銘柄の方が、長期保有では結果的に配当が育ちます。私のポートフォリオの中にも、利回りに惹かれて買ったあと数年で減配・無配になった銘柄がありました(その後売却済み)。

これから選ぶなら、「連続増配年数」「累進配当方針の有無」「配当性向の余裕」を必ずチェックします。日経連続増配株指数や日経累進高配当株指数の構成銘柄を見るだけでも、選定の参考になります。

反省を踏まえて、今やっている改善策

反省点を並べるだけだと「で、どうしてるの?」となるので、最近実際にやっている改善策も書きます。

🔄 高配当株の配当金 → オルカン・ETF購入の原資に 最近は、高配当株から振り込まれた配当金を、そのままオルカンや米国ETFの購入資金に回す運用に切り替えました。

これによって、
・日本株偏重のリスクを少しずつ薄める
・配当金を消費せず再投資に回せる
・つみたて投資枠も無理なく埋まる
という3つのメリットが生まれます。

「高配当株で得た配当金で、世界全体に投資する」——この循環ができると、ポートフォリオが時間とともにバランス良くなっていきます。

これから始める人には、最初からこの仕組みを設計しておくことをおすすめします。具体的には、

1SBI証券などの1株単位で買える証券会社で口座を作る
最初の選択がポートフォリオ全体の柔軟性を決めます。1株から買えると、月々1万円程度でも10〜20銘柄に分散できます。
2つみたて枠でオルカンやS&P500を主軸にする
コア資産として、まずインデックス投信を月1〜3万円ずつ。これが土台になります。年収500万円以下でも無理なく続けられる金額です。
3成長投資枠で「増配企業」を1株ずつ集める
高配当株を選ぶ時は、利回りだけでなく連続増配年数・累進配当方針・配当性向を必ずチェック。日経連続増配株指数の構成銘柄が選定の参考になります。1社あたりの比率を3〜5%以下に抑える設計で、最終的に30銘柄以上の分散を目指します。
4配当金は再投資に回す
振り込まれた配当金は使わずに、オルカンやETFの追加購入に充てる。これで複利効果が効きます。

配当金投資の本当の主役は「増配」

ここまで利回り3%・4%という数字で話を進めてきましたが、実は配当金投資にはもっと重要な視点があります。それが増配です。

増配とは、企業が前年よりも配当金を増やすこと。減配せずに増配または配当維持を続けることを「累進配当」と呼びます。配当金投資で長期的にリターンを伸ばす鍵は、利回りの高さよりもむしろ「増配を続けられる企業を選ぶこと」にあります。

取得時の利回りより、未来の利回り(YOC)が大事

「YOC(イールド・オン・コスト)」という言葉を聞いたことがありますか?取得価格に対する配当利回りのことです。

「自分が買った時の金額に対して、今いくら配当が返ってきているか」を表す数字。これが、増配の効果を測る物差しになります。

📌 実例:今回紹介しているポートフォリオの場合 取得総額:3,762,019円
年間配当:148,036円
YOC(取得額ベースの利回り):3.94%

このポートフォリオには、取得時の配当利回りが1%台だった銘柄(優待目的で買ったイオンなど)も含まれています。それでも全体のYOCが約4%まで育っているのは、各社が10年の保有期間中に配当を増やしてきたからです。

もう少し具体的に見るために、株価3,000円・年間配当90円(取得時利回り3.0%)の銘柄を買ったケースで計算してみます。この企業が毎年5%ずつ増配を続けたらどうなるか。

取得価格:3,000円/初年度配当90円(利回り3.0%)
想定:年率5%の増配が続く場合
 
5年後:年配当約109円 → YOC 3.65%
10年後:年配当約140円 → YOC 4.65%
20年後:年配当約227円 → YOC 7.58%
→ 同じ取得価格に対して、20年後の利回りは2.5倍に

つまり、株価がそのまま動かなかったとしても、増配が続けば「自分の取得価格に対する利回り」はどんどん上がっていくということ。これが配当金投資の真の威力です。

📌 評価額ベース利回りとの違い ニュースや株式情報サイトで目にする配当利回りは、たいてい「現在の株価」をベースに計算されたものです。これは「これから買う人にとっての利回り」。

一方、すでに保有している人にとって意味があるのは「自分が買った金額に対して、いくら返ってきているか」というYOCの方。長期保有を前提にした配当金投資では、評価額ベースの利回りに一喜一憂するより、YOCがどう育っているかを見る方が本質的です。

こうした考え方が広まったことで、日本経済新聞社は2023年6月に「日経連続増配株指数」「日経累進高配当株指数」という2つの指数の算出・公表を開始しました。連続増配株指数は10年以上連続で増配している企業から最大70銘柄、累進高配当株指数は10年以上累進配当を続けている企業から30銘柄で構成されています。

銘柄選びの基準に「増配しているか」を加える

これから高配当株を選ぶときは、利回りの数字だけでなく、以下の条件もチェックしてください。

過去5年〜10年以上、連続して増配しているか
過去の配当推移をIR情報や株式情報サイトで確認します。リーマンショック・コロナショックでも減配しなかった企業はかなり強い候補です。
累進配当を方針として明言しているか
近年は「減配しない」と公式に宣言する企業が増えています。三菱UFJフィナンシャル・グループ、伊藤忠商事、三菱HCキャピタルなどが累進配当を打ち出しています(各社の最新方針はIRで要確認)。
配当性向に余裕があるか
配当性向(利益のうち配当に回している割合)が80%を超えている企業は、増配の余力が乏しく、業績悪化時に減配リスクが高まります。30〜50%程度で安定している企業の方が、増配の継続性が高い傾向にあります。
事業に持続性があるか
増配を続けるには、売上・利益が長期で伸びていく必要があります。一時的なブームではなく、生活インフラ・消費財・通信など、時代が変わっても需要が続く業種の方が安心です。
📌 日本最長の連続増配企業 日本で連続増配記録のトップは花王(4452)。1991年3月期から増配を続けており、30年以上の連続増配を記録しています。バブル崩壊もリーマンショックも乗り越えて配当を増やし続けてきた実績があります。

ただし、2024年には配当利回りや業績の観点で評価が分かれる局面もあるので、「連続増配」という事実だけで判断せず、業績推移とセットで見ることが大切です。

「配当金生活」、現実的にいくら必要?

「配当金生活」は誰もが憧れるテーマ。実際にいくら元手があれば実現するのか、計算してみます。ここでは増配を考慮しないシンプルな計算と、増配を考慮した場合の2パターンで見ていきます。

パターン①:増配を考慮しない場合

月10万円の配当金を得たい場合
年間配当 = 10万円 × 12か月 = 120万円
配当利回りを4%(NISA非課税想定)と仮定
必要元本 = 120万円 ÷ 4% = 3,000万円
→ 元本3,000万円が必要
月3万円の「家計の足し」を目指す場合
年間配当 = 3万円 × 12か月 = 36万円
配当利回りを4%と仮定
必要元本 = 36万円 ÷ 4% = 900万円
→ 元本900万円で実現可能

パターン②:増配を考慮した場合

ここで増配の力が効いてきます。仮に元本900万円を初期利回り3%で投資し、保有銘柄全体で年率5%の増配が続いたとすると、

取得時:年間配当27万円(月2.25万円)
10年後:年間配当約44万円(月3.6万円)
20年後:年間配当約72万円(月6万円)
→ 同じ元本900万円のまま、配当が2.6倍に

これがあくまで「増配が続けば」の話なので、絶対ではありません。ただ、連続増配を続けてきた優良企業を選ぶことができれば、新しく追加投資しなくても配当が育っていくということ。「いくら必要か」を考える時に、利回りだけ見ていては見えない世界です。

新NISAの非課税保有限度額は1人1,800万円なので、枠をフル活用しつつ増配企業を組み込めば、「配当だけで月6万円」は10〜20年スパンで現実的に手が届きます。

ちなみに今回紹介したポートフォリオは取得額ベースで年利3.94%、年間配当148,036円。これは10年間コツコツ買い増した結果です。年収500万円前後の人でも、月3〜5万円ずつ積み立てて、増配企業を組み込めば、10〜15年でこの規模に到達できるということでもあります。

気をつけたい3つの落とし穴

新NISAで高配当株を始めるときに、つまずきやすいポイントを3つ挙げます。実際に踏んだ穴ばかりです。

配当金の受取方法は「株式数比例配分方式」に設定する
これを設定していないと、NISA口座で買った株でも配当金が課税対象になります。証券会社のマイページで一度確認してください。
米国株の配当金は10%の現地課税が残る
NISAでも米国側の課税(10%)は非課税にならず、外国税額控除も使えません。「米国株の方が利回り高そう」と単純に判断する前に、この点は理解しておくべきです。
NISAの損失は他の口座と損益通算できない
NISA口座で含み損が出ても、特定口座の利益と相殺できません。「損切りしてもメリットが少ない」のがNISAの裏側の特徴で、銘柄選びはより慎重に。
⚠️ 私の失敗談 過去に含み損が300万円を超えた時期、何度も「売るべきか持ち続けるか」で悩みました。結論として「売らずに持ち続ける」を選んだ銘柄は配当を出し続けてくれて結果的に正解でしたが、当時は眠れない夜が続きました。
そこで学んだのは「最初から減配リスクの低い銘柄を選ぶ」ことの大切さ。配当性向が高すぎる(80%超など)銘柄は要警戒です。

まとめ:失敗を踏み台にして、最初から賢く始めよう

ここまで読んでくれた人は、もう「なんとなく買う」段階を卒業しています。今回紹介したポートフォリオの数字(取得額376万円・年配当148,036円・取得額ベース利回り3.94%)は、試行錯誤を重ねた結果のひとつのスナップショットにすぎません。

もし最初から知っていれば、SBI証券で1株単位で買い集めて、最初から30銘柄以上に分散して、増配を続ける企業を中心に選び、オルカンを主軸にしていたはずです。一からやり直せるなら、そうします。

年収300〜500万円帯の中所得層は、月に投資にまわせる金額が限られています。だからこそ「最初の設計」を間違えないことと、「増配で配当が育つ仕組み」を組み込むことが、5年後・10年後の差になって返ってきます。今日紹介した反省点を踏まえて、自分なりのスタートを切ってもらえたら嬉しいです。

配当金が初めて振り込まれた日の喜びは、今も覚えています。あなたの口座にも、その日が訪れますように。

⚠️ 銘柄・証券会社に関する注意
本記事で言及した銘柄・証券会社はあくまで情報提供目的であり、投資推奨・口座開設の勧誘ではありません。投資判断は必ずご自身の責任で行い、必要に応じてFP・証券会社等の専門家にご相談ください。

📌 次のアクション例 ・自分が「目指したい配当金額」を言語化する
・1株単位で買える証券会社(SBI証券など)の口座を検討する
・現在使っている証券口座の「配当金受取方法」を確認する
・気になる銘柄の過去10年の配当推移を調べてみる
・日経連続増配株指数の構成銘柄をチェックして候補を広げる
⚠️ 免責事項 本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の銘柄・金融商品・証券会社への投資や口座開設を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴い、元本割れの可能性があります。投資判断はご自身の責任において行ってください。掲載データは執筆時点のものであり、最新情報は各公式サイトをご確認ください。

📎 参考・出典


✍️ この記事を書いた人|ほげたろう

FP1級保有。新NISAで高配当株ポートフォリオを運用中(運用歴10年)。保有銘柄数は現在20銘柄。過去には含み損が300万円を超えた経験もあり、「損切りすべきか持ち続けるか」の葛藤を何度も経験。その経験をもとに、初心者が本当につまずく場所を正直に解説することをモットーにしています。「根拠を持って選ぶ投資」を広めるためにブログを運営中。

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