都内の中古マンション価格が平均で1億円超なんてニュースを見ると、「もう無理だ…」って気持ちになりますよね。
生活費も上がって、保育園・教育費もこれから。毎月の支出を少しでも抑えたい。家賃の値上げも怖い。だからこそ、都内を諦めて千葉・埼玉・神奈川へ視野を広げる人は増えています。

そして千葉の一部エリアでは、同じくらいの広さのマンションが数百万円でゴロゴロしている。
「え? これなら買えるじゃん」
そう思うのは自然です。私も、まさにそこに飛びつきました。

でも結論から言うと、声を大にして言いたい。

不動産は“安いから買う”がいちばん危ない。
買うなら、できる限り「価値が上がる(または下がりにくい)」ものを選ぶべきです。
いくら安くても、価値が下がるものを掴むと、のちのちお金・時間・精神力を吸い取られます。

この記事は、「家が高すぎて辟易している人」ほど、落とし穴にはまらないための注意喚起です。
最後に、私が2018年に東金市で買った“激安マンション”の失敗談も、良いところも悪いところも全部書きます。


まず前提:不動産は“家計を守るための投資”でもある

自宅購入は「生活のため」ですが、同時に一種の不動産投資です。

  • 将来売れるか(出口)
  • 価格が維持されるか(下落耐性)
  • 住み続ける間の維持費が現実的か(ランニングコスト)
  • いざという時に貸せるか(賃貸需要)
  • 住み替えが発生しても詰まないか(柔軟性)

このあたりを避けて通れません。

そして、不動産はネットで見た情報だけでは判断できません。
現地に足を運び、自分の目で見る。これは本当に重要です。


「安いには理由がある」よくある“地雷ポイント”総まとめ

千葉に限らず、「激安物件」には、だいたい理由があります。
安さの裏側を、できるだけ具体的に並べます。

1) 古くて管理状態が悪い(築年数より“管理”)

マンションだと旧耐震のこともありますが、特に戸建ては「築年数」より管理状態が重要です。

  • 共用部が汚い、掲示板が荒れている、ゴミ置き場が崩壊
  • 錆び、雨染み、放置された不具合
  • 管理会社が機能してない/住民同士が揉めている

ここは“雰囲気”に出ます。現地でしか分かりません。

2) 駅から遠い(徒歩18分は覚悟が要る)

駅徒歩が伸びるほど、一般的に需要は落ちます。
「徒歩18分でも平気」と思っても、将来売る・貸す局面では効いてきます。

3) 修繕積立金が足りない/集まっていない

マンションで致命傷になりやすいのがここ。

  • マンション全体で修繕積立金が不足
  • 滞納者が多く、そもそも集まってない
  • 積立金が安すぎる(将来の値上げ・一時金リスク)

さらに目安として、国土交通省のガイドライン等で語られる水準として
専有面積1㎡あたり月額200〜300円程度がひとつの参考になります。
(※物件の仕様・築年・設備で変動はありますが、「安すぎる」は要注意のシグナルです)

4) 戸数が少ない(目安:50戸以上)

戸数が少ないと、修繕費の負担が分散されにくく、合意形成も難しくなりがちです。
50戸以上がひとつの基準として語られることが多いです。

5) 戸建て・土地の形が悪い(旗竿地・不整形地)

土地の形が悪いと、

  • 建てられる建物が制限される
  • 駐車計画が厳しい
  • 使いづらくて売れにくい

など、「安い理由」が未来までついて回ります。

6) 隣地や道路と高低差がある(“金食い虫”になる)

高低差は場合によって

  • 擁壁の補修
  • 排水の問題
  • 土砂のリスク
  • 工事費が高くなる

など、お金が出ていく原因になり、土地の価値も落としやすいです。

7) 道路が狭い(4m未満/セットバック/地域の期待値)

道路が狭いと建築条件や将来の売りやすさに響きます。

  • 4mない → 建築制限や不便が出る可能性
  • セットバックが必要 → 実質の土地が減る
  • 需要の感覚として、都内だと4mは普通でも、千葉の地域によっては「6m欲しい」空気があるところも

“周りの家がどんな道路幅か”を見ると、地域の期待値が見えます。

8) 築20年超の木造戸建て:外壁・屋根の修繕履歴がない

築20年あたりで、

  • 屋根
  • 外壁
  • 防水
  • バルコニー
  • 配管まわり

このへんが一気にお金を呼びます。
修繕履歴がない=先送りされてきた可能性があります。

9) 駐車場が必須エリアなのに無い/置けても制限がある

千葉のエリアによっては車が前提です。

  • 駐車場がない → そもそも住めない層が増える
  • 置けても軽しか無理、出し入れが地獄 → 住み替えで敬遠される

“今の自分”だけじゃなく、“将来の買い手・借り手”の目線で考えたほうが安全です。

10) 土地売買で「何か埋まってる」問題(砂利敷き駐車場は要注意)

更地や駐車場っぽく見える土地でも、掘ると

  • 土管
  • ガラ(廃材)
  • 昔の基礎
  • 何かの埋設物

が出てくることがあります。
特に砂利敷きの駐車場は、「とりあえず隠してある」ケースもゼロではありません。

11) 瑕疵担保責任(契約不適合責任)は必須

最低でも3ヶ月、できれば2年など、一定の責任を売主に持ってもらえる形が安心です。
(※実際は売主属性や契約形態で条件が変わります。ここを“無し”で飲むと、あとがきつい)

12) 嫌悪施設/そしてネットで分からない「臭い」

最後に、これがいちばん盲点。

  • 工場
  • 畜産
  • 下水・川
  • 飲食の排気
  • ゴミ処理関連

そして何より、**現地に行かないと分からない「臭い」**があります。
これ、二次元情報では絶対に掴めません。


「新築内覧の魔法」と「銀行が貸してくれる罠」

ここも本当に大事なので書きます。

  • 新築マンションの内覧は魔法がかかります
    エントランスが綺麗、最新設備、モデルルーム、照明、香り、導線…うっとりします。
  • 不動産屋さんはプロです
    “魅せる”のが上手い。
  • そして銀行が「貸してくれる」
    ここで人は「買える」と知ってしまう。

でも忘れちゃいけないのがこれ。

銀行の貸し出し金額 = 借りても良い金額ではない。

審査が通ると気が大きくなります。
だからこそ、一旦落ち着いて、冷静になったタイミングで決めるのが大事です。


妥協は必要。でも「どこを妥協して、どこは譲れないか」を先に決める

不動産は、全条件を満たすものはほぼありません。
だから妥協は必要です。

ただし順番が逆だと危険。

  1. 先に「譲れない条件」「妥協できる条件」を決める
  2. その枠の中で、複数物件を見て目を肥やす
  3. 最後に価格を見る

この順番がおすすめです。
私みたいに金額だけで決めるのは、本当にやめた方がいいです。


【体験記】2018年、東金市で“170万円のマンション”を買った話(自然死・事故物件に近い)

ここからが私の話です。
不動産投資目的で、千葉の東金市にある中古マンションを買いました。

  • 購入時期:2018年7月
  • 場所:東金市
  • 最寄り:JR東金駅 徒歩18分
  • 間取り:3LDK
  • 専有面積:61.24㎡
  • 売主:相続財産管理人の弁護士(相続人がいない案件)
  • 亡くなった方が住んでいて、室内で亡くなった
    自殺ではないとのことで、扱いとしては自然死
  • 当時の相場:600万〜700万円
  • 購入価格:170万円
  • 仲介手数料:破格の5万円(当時)

この時点で、もう“匂い”がしますよね。
「安すぎるには理由がある」っていう、まさにそれ。

ただ、室内の状態は意外にもなかなか良好でした。
……でも、問題がひとつ。

風呂場から、死臭がした

全部が全部ではないんですが、特に浴室まわりが、どうしても…という状態。
気にならない人もいるかもしれません。でも私は無理でした。

そこで手を入れました。

  • リフォーム費用:合計100万円ほど
  • 清掃・補修・手直しなど、いろいろ

そして、リフォーム中に事件。

下階に水漏れ!大慌て

工事中に下の階へ水漏れ。
「終わった…」って本気で焦りました。

結果的には、マンション加入の保険で対応してもらうことになりましたが、
こういう“想定外”が起きるのが不動産です。安いほど起きがちです。


綺麗にして売ろうとしたけど、売れない。現実は甘くなかった

当初の目論見はこうでした。

ちょっと手直しして、綺麗にして、そのまま売却しよう

でも、なかなか買い手がつきません。
理由ははっきりしています。

  • 東金駅徒歩18分
  • 地域特性(そもそも需要が強くない)
  • 事故物件に近い心理的ハードル
  • マンション全体の魅力(管理状況など)も影響する

それで方針転換。

賃借人をつけて、月5万4000円で賃貸に出した

  • 賃料:54,000円

一見、利回りだけ見ると魅力的に見えます。
でも、ここで次の試練が来ます。

家賃滞納が発生 → 連絡がつかない

  • 滞納
  • 連絡不能
  • 不動産管理会社とやり取り地獄

「利回り」って、紙の上では綺麗なんですよ。
でも現実は、人と設備が絡む。ここがしんどい。

さらに追い打ち:インターフォンが壊れて修理5万円

  • 修理費:5万円

こういう細かい出費が、じわじわ効きます。
“激安物件”ほど、こういうのが連続しやすい。


最終的に売れた。でも「労力に見合わない」結末だった

なんとか最終的に売却できました。

  • 売却価格:350万円
  • 相場よりだいぶ離れた価格

結果として、今回「大損」ではありません。
ただし、正直に言うとこうです。

利益は、労力に見合わず、ほとんど残りませんでした。

  • 水漏れ対応の精神的負担
  • 滞納者対応のストレス
  • 修理・手配・やり取りの時間
  • 売れない期間のモヤモヤ

不動産は、手間がかかる時は本当にかかります。
「気軽に購入」は、後から効いてきます。


私の失敗から言えること:安さは“安心”ではなく“課題の塊”かもしれない

ここまで読んで「怖い…」と思ったなら、それは正常です。
不安を煽るためではなく、先に知っておけば避けられるから書いています。

特に、都内の価格高騰で疲れている人ほど、

  • 「家賃がもったいない」
  • 「買ってしまえば楽になる」
  • 「この値段ならいける」

と、判断が早くなりやすい。

でも一回立ち止まってほしい。
安さの理由を言語化できない物件には手を出さない。
これだけでも事故率が下がります。


失敗しないための“現地チェック”と“購入前の鉄板ルール”

最後に、これだけは押さえてほしいルールをまとめます。

ルール1:ネットだけで決めない。現地に行く(臭い・空気感)

  • 臭い
  • 道路幅
  • 高低差
  • 騒音
  • 住民の雰囲気
  • ゴミ置き場

現地は情報量が違います。

ルール2:1〜2件で決めない。何件も見て“目を肥やす”

見れば見るほど、「相場観」と「違和感センサー」が育ちます。
これが一番の武器になります。

ルール3:修繕積立金・滞納・長期修繕計画は必ず確認

マンションならここが生命線です。

  • 積立額が適正か(安すぎないか)
  • 滞納が多くないか
  • 長期修繕計画が現実的か
  • 大規模修繕の履歴と次回予定

ルール4:土地・戸建ては“形・高低差・道路・駐車”を最優先で見る

旗竿地・不整形地、高低差、道路4m未満、セットバック、駐車のしやすさ。
ここは後から変えられません。

ルール5:瑕疵担保(契約不適合)の条件を軽視しない

「安いから仕方ない」で飲むと、後で詰みます。
最低3ヶ月、できれば2年、など“責任の置き方”は要検討です。

ルール6:「どこを妥協して、どこは譲れないか」を先に決める

価格だけで決めない。
将来の売却・賃貸も含めて、トータルで考えるのが安全です。


まとめ:家計を守るために“安さ”より“価値”を見てほしい

都内の家が高すぎて、疲れる気持ちは痛いほど分かります。
でも、そこで「安いから」で決めると、結果として

  • 余計な出費
  • 余計な手間
  • 余計なストレス

を抱えることがあります。

私の東金のマンション(170万円→リフォーム100万円→滞納対応→修理5万円→売却350万円)は、
損はしていないけど、気軽に買っていいものじゃなかった

だからこそ、これを読んだあなたには、

  • 安い理由を言語化できること
  • 現地で確かめること
  • 目を肥やすこと
  • 譲れない条件を決めること

この4つだけでも実践して、後悔の確率を下げてほしいです。


📎 参考・出典


✍️ この記事を書いた人|ほげたろう

宅建士(2014年取得)・FP1級(2019年取得)保有のフルスタックエンジニア。不動産系サービス会社に勤務しながら、飛び込み営業時代や不動産投資の失敗も含めたリアルな体験をもとに「不動産ゼロからナビ」を運営。4人家族、地方在住。「難しそう」を「なんとかなる」に変える情報を発信中。

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