「千葉に移住したいけど、正直どんな物件を選べばいいのか全然わからない…」

そう感じているあなた、めちゃくちゃ正常です。不動産選びって、人生で何度もやることじゃないし、しかも金額がデカい。失敗したときのダメージが大きすぎて、考えれば考えるほど不安になりますよね。

結論から言うと、不動産選びで後悔しない人には「自分の譲れない軸」と「資産価値の見方」の2つがあるんです。この2つさえ持っておけば、不動産屋さんの言葉に流されることなく、自分の頭で判断できるようになります。

この記事を書いたのは、宅建士(2014年取得)・FP1級(2019年取得)を保有し、不動産査定書システムの開発にも携わってきたほげたろうです。飛び込み営業時代や不動産投資の失敗も含め、リアルな現場を知っているからこそ「買う前に知っておいてほしい」ことを、できるだけわかりやすく書きました。

この記事を読み終えると、物件を見る目が変わります。「なんか安いな…でもなぜ安いのかわからない」という不安が消えて、自分なりの判断基準を持って物件選びができるようになります。ぜひ最後まで読んでいってください。

まず「自分の譲れないもの」を紙に書き出してみて

不動産選びを失敗する人の多くは、最初から「予算内でいい場所ならどこでも」と考えています。でもそれ、実は一番迷う原因なんです。

最初にやること、それは「自分が絶対に譲れないもの」を書き出すことです。

お金のことはいったん横に置いておいてください。理想を書き出すフェーズです。以下を参考に、自分が何を大切にしているか整理してみましょう。

🏠 あなたの「譲れないもの」チェックリスト

カテゴリ 確認項目(例)
🚃 交通駅まで徒歩何分まで? / 都内への通勤時間は何分まで許容できる?
🏫 教育小学校まで徒歩何分? / 学区は気にする?
🌳 環境すぐ遊べる公園が近くにある? / 庭は欲しい?
🛒 生活利便性スーパー・コンビニは徒歩圏内? / 商店街がある街がいい?
🚗 駐車場車は何台? / ビルトインガレージは必要?
🛁 住戸スペック子ども部屋は何部屋必要? / お風呂の広さは譲れない?
🏗️ 建物の種類マンション限定? / 戸建ても検討できる?

ここで一つ、声を大にして言いたいことがあります。

「マンションか戸建てか」という固定観念は、いったん捨ててみてください。

私自身、団地・アパート・マンションと集合住宅ばかりで育ってきたので、戸建てなんて自分には縁のないものだと思っていました。でも「譲れないもの」を整理してみたら、「庭が欲しい」「子どもを外で気軽に遊ばせたい」「隣の音が気になる」という本音が出てきて。結果的に戸建てを選んだんですが、正直、集合住宅には戻れないと思っています。

思い込みで選択肢を狭めるのはもったいない。まずはフラットに「自分が何を求めているか」を整理するところから始めてみてください。

マンションの価格って、どうやって決まるの?

マンションの価格の仕組みは、実は3つの中でいちばんシンプルです。

不動産の査定では「取引事例比較法(とりひきじれいひかくほう)」という手法が使われます。文字通り、近くで同じような物件がいくらで取引されたかを比べて価格を出す方法です。

価格を比べるときは「㎡単価」で見る

たとえば40㎡のマンションと60㎡のマンション、そりゃ総額は違います。でも1㎡あたりの単価は近い数字になるはず。だから比べるときは必ず㎡単価(平方メートル単価)で見てください。

計算式はシンプルです。

㎡単価 = 売却価格 ÷ 専有面積(㎡)

一点注意があって、極端に狭い部屋(18〜20㎡台のワンルームなど)と、ファミリー向けの60㎡台では単価の基準が異なります。狭い部屋の方が㎡単価は高くなりがちなので、比較するときは同じような広さの物件同士で見てください。

成約事例を調べたいときは不動産屋さんに頼んでOK

「今売り出されている物件」との比較は自分でもできますが、「実際にいくらで売れたか(成約事例)」は一般の人には見られないサイトに載っています。「レインズ(REINS)」や「athomeBB」という不動産業者専用のシステムです。

遠慮なく担当の不動産屋さんに「この物件の周辺の成約事例を見せてもらえますか?」と聞いてみましょう。ちゃんとした業者さんなら出してくれます。

土地選びは「4つのポイント」を必ず確認して

マンションがシンプルなのに対して、土地と戸建ては難易度がはるかに高いです。「なんかここ安いな」と思ったときには、必ずこの4つを確認してください。

① 幅員(ふくいん):接している道路は何メートル?

幅員とは、その土地に接している道路の幅のことです。これが地味にめちゃくちゃ大事。

道路が広い(例:6m)か狭い(例:3m)かで、何が変わるかというと——

  • 🔨 工事のしやすさが変わる → 道路が広いほど資材搬入がラクで建築コストが下がる
  • 🚗 車の出し入れがしやすい
  • 🏠 建てられる建物の大きさが変わる(道路斜線制限の影響)

「道路斜線制限(どうろしゃせんせいげん)」というルールがあって、道路に面した建物の高さや形状に制限がかかります。道路が広ければその分、大きな建物が建てられるので需要が上がり、価格も高くなる。逆に狭いと需要が下がって安くなる。これが「道路が広い土地は高い」理由の正体です。

② 間口(まぐち):道路と土地が接している部分の広さ

間口とは、道路に面している土地の幅のことです。ここが広いほど、建物のプランニングの自由度が上がります。間口が狭い土地(いわゆる「旗竿地(はたざおち)」など)は、工事がしにくく建物の間取りも制限されるため、価格が下がる傾向があります。

😊

間口が広い土地

プラン自由度 ◎
工事しやすい ◎
資産価値 高め

😓

間口が狭い土地(旗竿地など)

プラン自由度 △
工事しにくい △
資産価値 低め

③ 高低差(こうていさ):これが一番危険かもしれない

道路や隣地との高低差がある土地は、知らずに買うと本当にヤバいです。洒落にならないレベルで。

「なんかここ安いな」と思ったら、まず高低差を疑ってください。接している道路から土地が高かったり低かったり、隣地が高かったりするケースが多いです。

高低差がある土地で問題になるのが「擁壁(ようへき)」です。崖やひな壇状の土地を支えるためのコンクリートや石積みの壁のことで、これが古くなったり強度不足だったりすると、建築にとんでもないコストがかかります。

⚠️ 擁壁がある土地を見るときのチェックポイント

  • 擁壁の構造がわかる設計図・構造計算書をもらう
  • RC造(鉄筋コンクリート造)かどうかを確認する
  • 築年数・点検記録がある場合は確認する
  • 目視でひび割れ・ズレ・水のにじみがないか確認する
  • 確認検査済証(かくにんけんさずみしょう)があるか確認する

正直なところ、見ただけでは判断がめちゃくちゃ難しいです。だから私は「高低差がある土地は基本的に見送り」をおすすめしています。

どうしても気に入った場合は、擁壁がRC造(鉄筋コンクリート造)であることが最低条件。適切に施工されたRC擁壁なら長期間にわたる耐久性が期待できますが、それでも将来的なメンテナンスコストは覚悟が必要です。

なお、土地の埋設物(地中に何か埋まっていないか)も盲点になりやすいポイントです。いざ建築が始まったら地中からガラ(廃材)が出てきた、なんてことも実際に起こります。地歴(その土地の昔の使われ方)を調べておくことも有効です。

④ その他:電柱・電線・境界も見ておく

「物理的にお金がかかりそう」と感じる要素はすべて資産価値に影響する可能性があります。以下も確認しておきましょう。

  • ⚡ 上空に電線が走っていないか(移設に費用がかかることがある)
  • 🔌 敷地内や間口付近に電柱があるか(駐車や工事の障害になる)
  • 📐 隣地との境界杭(さかいぐい)が明確に設置されているか
  • 🧱 隣地との境界に誰の所有か不明な塀・フェンスがないか

ちなみに、「角地(かどち)」が価格が高い理由もここまでの話で説明できます。角地は2面が道路に接しているため、幅員・間口ともに有利になりやすく、建物プランの自由度が高いから需要が高い=価格が高くなるんです。

中古戸建ては「難しい」を前提に動こう

正直に言います。中古戸建ての価格判断は、プロでもめちゃくちゃ難しいです。私は不動産査定書システムの開発者の一人ですが、現場の不動産業者さんでも「よくわからないからシステムを使う」という方がたくさんいます。それくらい、個別性が強い。

中古戸建ての価格はどう計算されるの?(原価法)

戸建ての査定には主に「原価法(げんかほう)」という手法が使われます。

📐 原価法のざっくり計算式

物件価格 = 土地の価格 + 建物の価格

  • 土地の価格:前述の取引事例比較法で算出
  • 建物の価格:新築時の価格 × 残存価値率(築年数で減価)

建物は築年数が経つほど価値が下がっていきます。構造ごとに「耐用年数(たいようねんすう)」が決まっていて、木造なら22年、RC造(鉄筋コンクリート)なら47年などが国税庁の基準になっています(※不動産査定における耐用年数は税務上の耐用年数と異なる場合があります)。

耐用年数を超えた建物の場合は、残存価値を5%前後として計算することが多いです。つまり「築30年の木造戸建て」は、建物部分の価値がほぼゼロに近い計算になります。

「部位別評価」という考え方も知っておいて

もう少し精度の高い査定では、建物を部位(ぶい)ごとに評価する方法もあります。たとえばこんなイメージです。

部位 具体例 評価ポイント
🏗️ 基礎・構造基礎の種類・耐震基準1981年以降の新耐震基準か確認
🏠 屋根瓦・スレート・金属防水・葺き替え履歴の確認
🔒 外壁サイディング・モルタルひび・雨漏り痕がないか
🛁 設備キッチン・浴室・給湯器交換履歴・年式の確認
🪟 内装床・壁・建具リフォーム歴・状態の確認

それぞれの部位ごとに「残存価値がどのくらいか」を見ていく方法です。全部自分で判断するのは難しいので、担当の不動産屋さんに「この物件、部位ごとの状態はどうですか?」と聞いてみましょう。答えられない担当者はおそらく経験が浅い方なので、「詳しい方にも同席してもらえますか?」と遠慮なく言ってOKです。

中古戸建てを買うなら「相場より安く買える」が基本

中古戸建ては「最悪の状況」も想定した上で購入するのが鉄則です。不動産はお金があれば大抵のことは解決できます。でも「高く買いすぎた」だけは取り返しがつかない。

原価法で算出した査定価格と比べて「明らかに安い」物件には必ず理由があります。その理由が自分にとって許容できるものか、コストで解決できるものかを冷静に判断する。それができれば、中古戸建ては安く良い物件を手に入れる大きなチャンスにもなります。

ちょっと知っておきたい:収益還元法・賃貸事例比較法

これは実需(自分が住むための購入)では直接使わない手法ですが、知っておくと「この物件の価値をどう見るか」の視野が広がります。

収益還元法(しゅうえきかんげんほう)

主に投資用不動産で使われる手法です。「その物件から得られる家賃収入(インカムゲイン)をもとに物件価格を算出する」考え方です。

💡 収益還元法のざっくりイメージ

年間家賃収入 ÷ 期待利回り(%) = 物件の適正価格
例)年間家賃120万円 ÷ 5%(0.05) = 2,400万円

実需の方に関係する場面としては、「もし将来賃貸に出すとしたらどのくらいの価値があるか」を確認するときに使えます。

賃貸事例比較法(ちんたいじれいひかくほう)

近隣の賃貸事例をもとに家賃相場を算出する方法です。収益還元法と組み合わせて使います。「この物件を貸したらいくらが相場か」を把握することで、収益価値の裏付けになります。

自分で住む物件であっても、「将来売れるか、貸せるか」という視点は持っておいたほうが絶対にいいです。特に千葉移住の場合、将来また都内に戻る可能性もゼロじゃないので、賃貸需要がある立地かどうかはチェックしておきましょう。

まとめ:後悔しない不動産選びの3ステップ

長くなりましたが、まとめます。不動産選びで後悔しないための行動は、この3ステップです。

1

「譲れないもの」を書き出して優先順位をつける

お金のことは後回し。自分が本当に何を求めているかを整理する。マンション・戸建ての固定観念も捨てる。

2

物件種別ごとの価格のしくみを理解する

マンションは㎡単価比較。土地は幅員・間口・高低差が命。戸建ては原価法で土地+建物。「なぜこの価格か」を不動産屋に聞けるようになる。

3

焦らない。1〜2年かけてもいい。

自宅購入は1年・2年かけて探してもいいくらいの大きな買い物。「譲れないものが実現できない物件」は見送る勇気を持つ。

不動産屋さんは敵じゃないですが、プロとアマでは情報量が圧倒的に違います。「なんかいい感じ」「担当者が親身だから」だけで決めると、後から「なんでここにしたんだろう」と後悔することになりかねない。

この記事を読んだあなたには、少しでも「自分の言葉で話せる」武器を持って物件探しに臨んでほしい。千葉への移住、ぜひ後悔のない一歩を踏み出してください。応援しています!

✍️ この記事を書いた人|ほげたろう

宅建士(2014年取得)・FP1級(2019年取得)保有のフルスタックエンジニア。不動産系サービス会社に勤務しながら、飛び込み営業時代や不動産投資の失敗も含めたリアルな体験をもとに「不動産ゼロからナビ」を運営。4人家族、地方在住。「難しそう」を「なんとかなる」に変える情報を発信中。

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