都内ワンルーム10万円超の時代、東京「県境」を1歩越えたら家賃はいくら変わる?神奈川・埼玉・千葉を徹底比較
「東京23区のワンルーム、平均家賃がついに10万円を超えた」——そんなニュースが飛び込んできて、「やっぱりそうか…」と思った方、多いんじゃないでしょうか。
2026年3月、市民団体が新宿駅前で「家賃高すぎ。なんとかしろ!デモ」を行いました。東京23区の単身者向け(ワンルーム等)の平均家賃は2025年に初めて10万円を超え、10万4,594円に達しています(デモ実行委員会・高崎経済大学 佐藤和宏准教授の調査より)。新築マンションの平均価格も1億3,613万円。「家を買う」という選択肢が、普通のサラリーマン家庭からどんどん遠ざかっています。
正直、「なんとかしろ!」って言いたくなる気持ち、めちゃくちゃよくわかります。でも、政策が変わるのを待っていても、あなたの毎月の家賃は今日も出ていく。だったら、自分にできることを一つずつやるしかないんです。
選択肢は大きく3つ。①収入を上げる、②引越す、③他を切り詰める。この記事では②の「引越す」にフォーカスして、「東京都から1駅出るだけで家賃ってどのくらい変わるの?」を、データで見ていきます。
私は宅建士(2014年取得)・FP1級(2019年取得)を持ち、今は不動産テック企業でAIを使った不動産価格の査定システムを開発しています。「家を売るとき・買うときの情報格差をなくす」がミッション。飛び込み営業時代のリアルな現場経験と、日々データと向き合うエンジニア目線、その両方からこの記事を書きました。
「神奈川・埼玉・千葉、どこに引っ越せば一番得なの?」という疑問に、できるだけリアルな数字でお答えします。ぜひ最後まで読んでみてください。
📋 この記事でわかること
- 都内ワンルーム「10万円超」の実態と、そのスペック
- 東京都境を越えると家賃はいくら変わる?神奈川・埼玉・千葉の比較データ
- 県境エリア別の家賃差インフォグラフィック
- 家賃が上がる時代に自分ができる3つのこと
- FP1級が教える「家賃と家計」の正しい考え方
まず「10万円のワンルーム」って何者?スペックを特定してみた
デモのニュースにあった「都内ワンルーム平均10万円超」。でも一口に「ワンルーム」といっても、築50年の木造アパートから駅直結の新築マンションまでピンキリです。では、この「平均10万円」はどんな物件を指しているのか。
住宅新報の調査(2025年)によると、東京23区のワンルームマンション(1R/1K)の平均家賃は約10万3,938円。この数字は「非木造共同住宅(いわゆるマンション)で専有面積29㎡以下」の物件が中心です。さらにデモ声明のデータ(10万4,594円/2025年11月)は市場全体の集計値なので、ざっくり以下のスペックと考えるのが妥当です。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 間取り | 1K(キッチン付き・6〜8畳) |
| 専有面積 | 20〜25㎡前後 |
| 築年数 | 築20年以内(RC造・マンション) |
| 駅距離 | 徒歩10分以内(平均的な条件) |
| 設備 | オートロック・宅配BOX・バス・トイレ別 |
※出典:住宅新報「ワンルームマンション賃料調査」(2025年)、デモ実行委員会・高崎経済大学 佐藤和宏准教授調査データをもとにほげたろう作成
この「普通の1K、約20〜25㎡、築20年以内のマンション」が、東京23区では平均10万円を超えているという現実。これを基準に、県境を越えたらいくらになるのかを見ていきましょう。
東京都の「県境」を1歩超えたら、家賃はいくら変わる?
「神奈川・埼玉・千葉に引っ越せば安くなる」とよく言われますが、どのくらい安くなるのか、具体的な数字で見たことがある人は意外と少ないはず。「雰囲気で知ってる」から「数字で知ってる」に変えることで、引っ越しという判断が現実的になります。
今回は以下の方針で比較しました。
- 間取り:1K(専有面積20〜25㎡前後)
- 築年数:築20年以内のマンション
- 参照:SUUMO・アットホーム・Yahoo!不動産の相場データ(2025〜2026年)
- 比較エリア:東京都内の県境側区 vs 隣接する各県のエリア
🗾 東京「県境」家賃マップ ― 1K(20〜25㎡)の相場比較
※SUUMO「千葉県の家賃相場」(2026年1月更新)、市川市・松戸市・浦安市のSUUMO相場データをもとにほげたろう作成
※SUUMO「川口市・川口駅の家賃相場」(2025年)をもとにほげたろう作成
※SUUMO「神奈川県・川崎駅・川崎市川崎区の家賃相場」をもとにほげたろう作成
💡 「引越しで節約できる額」まとめ
※1K・20〜25㎡・築20年以内マンション、2025〜2026年相場データの比較。駅距離・築年数により変動あり。
「浦安・市川は高い」は本当だった
データを見て気づいたことがあります。千葉の「東京隣接エリア」って、実は都内の安い区とほぼ変わらない、あるいは逆に高い場所もあるんです。
浦安市はディズニーランド隣接の人気エリアで、1K相場が約7〜8万円。東京都内でも下から数えた方が早い「葛飾区・江戸川区(約6〜7万円)」とほぼ同水準か、むしろ浦安の方が高かったりします。市川市も7万円前後と、都内の安い区とそれほど変わらない。
「千葉に引っ越せば安くなる」というイメージは半分正解で半分ウソ、というのが正直なところ。東京に近ければ近いほど、千葉でも家賃は高めです。
一方で、松戸市になると1K相場が5.8〜6万円台まで下がってきます。都内の平均(10万円超)と比べると、年間で50万円近い差になることも。
じゃあ結局、どこが一番コスパ良い?
「東京から出て家賃を下げたい」という目的だけで見ると、今回の比較エリアの中では横浜市(港北区・都筑区方面)と埼玉の和光市・戸田市方面が家賃の下がり幅が大きく見えます。
ただし、家賃だけで引越しを判断するのはちょっと待って。通勤時間・交通費・生活利便性なども込みで考えないと、「安くなったけど通勤費が月3万円増えた」ということにもなりかねません。
千葉の場合、松戸市・柏市あたりまで行くと家賃は下がりますが、都心まで常磐線・新京成線などで30〜40分。コストとアクセスのバランスという意味では、悪くない選択肢です。
家賃が上がっても、「自分にできること」をやるしかない
冒頭でも言いましたが、政策が変わるのを待っている間にも家賃は毎月出ていきます。デモの声は大切だし、政治が動いてほしいとも思う。でも正直、今日・明日の家計は自分で何とかするしかない。
繰り返しになりますが、選択肢は3つです。
副業・転職・スキルアップ。家賃に対して収入が追いついていないなら、収入を引き上げる方向も現実的な手段。
この記事で見てきた通り、都内から出るだけで年間6〜30万円の節約になる可能性がある。引越し費用との損益分岐点を計算してみよう。
固定費の見直し・通信費の削減・保険の整理。月1〜2万円の節約でも年間では大きい。家賃以外の固定費から手をつけよう。
FP1級が教える「住居費と家計」の考え方
ここで少しFPっぽい話をさせてください。
FP(ファイナンシャルプランナー)の世界では、「住居費は手取り収入の25〜30%以内に抑えるのが目安」とよく言われます。冒頭のデモでも、「手取り収入の2割が妥当な家賃」と訴えられていましたが、これも同じ考え方です。
たとえば、手取りが月25万円なら「妥当な住居費は6.25〜7.5万円」。でも東京23区の平均ワンルームは10万円超。これは手取りの40%超に相当します。「可処分所得の3割を超える水準」という調査結果とも一致しますね。
まず自分の「住居費率」を計算してみましょう。
📝 あなたの「住居費率」計算式
もしあなたの住居費率が30%を超えているなら、それは「家賃のために働いている」状態に近い。貯金・投資・子育て費用のための余白がどんどん削られている状態です。
そんな状態を抜け出すための第一歩として、家計簿をつけることを強くおすすめします。「何となくお金が足りない」と「どこにいくら使っているか数字でわかる」は、天と地ほど違います。
スマホアプリ(マネーフォワードや家計簿Zaim)でいいので、今月だけでも試してみてください。支出の構造が見えれば、「どこから削るか」「引越しで何万円浮くか」という判断も現実的にできるようになります。
まとめ:「引越し」は意外と現実的な選択肢だった
今回のデータを整理すると、
- 東京都内(平均10万円超)から県境を越えると、月1〜2.5万円の節約も十分ありえる
- ただし千葉の浦安・市川は「都内の安い区」とほぼ同じか高いことも
- 松戸・埼玉(和光・戸田)・横浜方面は家賃の下がり幅が大きい
- 通勤費・交通時間とのトレードオフは必ず計算すること
「諦めるか、工夫するか」の話になると、私はいつも「まず数字を見てから判断しよう」と言うようにしています。なんとなく「都内の方が便利」というイメージで住み続けるより、1回でも家賃データを調べてみれば、「あ、松戸なら月1万円浮くんだ。年12万円。引越し費用を回収するのに1年かからないな」という計算ができるようになります。
家賃が上がる時代に、うまく生き抜くための武器は「正確な情報」です。ぜひ、今日の数字を参考にしてみてください。
⚠️ 免責事項:本記事で紹介した家賃データはSUUMO・Yahoo!不動産等の集計値(2025〜2026年)をもとにした参考値であり、実際の家賃は立地・築年数・設備等により大きく異なります。本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の引越し・投資等に関するアドバイスではありません。具体的な判断はご自身の条件に合わせてご確認ください。
📎 参考・出典
- 弁護士JPニュース|「家賃たかすぎぃぃぃ」都内ワンルーム平均10万円超 市民らが政策的解決を求め新宿駅でデモ(2026年3月)
- SUUMO|千葉県の家賃相場(2026年1月更新)
- SUUMO|川口市の家賃相場
- SUUMO|川崎駅の家賃相場
- LIFULL HOME’S|東京都のシングル賃料は初の10万円台に
✍️ この記事を書いた人|ほげたろう
宅建士(2014年取得)・FP1級(2019年取得)保有。今は不動産テック企業でAIを使った不動産価格の査定システムを開発。「家を売るとき・買うときの情報格差をなくす」がミッション。飛び込み営業時代や不動産投資の失敗も含めたリアルな体験と、日々データと格闘するエンジニア目線の両方から「不動産ゼロからナビ」を運営。4人家族、地方在住。「難しそう」を「なんとかなる」に変える情報を発信中。
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