「家のことで頭がいっぱいなのに、今度はイランとアメリカが戦争って…どういうこと?」——そう感じている方、多いんじゃないでしょうか。

結論から言います。今回のイラン・アメリカ戦争は、日本の家計に直接ダメージを与える可能性がある出来事です。ガソリン代・電気代・食料品の値上がりという形で、すでにじわじわと影響が出始めています。

私は宅建士(2014年取得)・FP1級(2019年取得)を持ち、今は不動産テック企業でAIを使った不動産価格の査定システムを開発しています。「家を売るとき・買うときの情報格差をなくす」がミッション。飛び込み営業時代のリアルな現場経験と、日々データと向き合うエンジニア目線の両方から、この記事を書きました。

「難しそう…」と思わないでください。「何が起きているのか」「自分の生活にどう影響するのか」「家の購入判断はどう考えるべきか」の3点に絞って、わかりやすくまとめます。

※ 状況は日々変化しています。この記事は2026年3月13日時点の情報をもとに作成しています。最新情報は各報道機関でご確認ください。

そもそも何が起きているの?3分でわかる経緯

「気づいたらガソリン代が上がってた…」という方も多いはず。何がいつ起きて、それがどう家計につながっているのかを、タイムラインで整理しました。

2025年6月 → 2026年3月13日現在 ※進行中

2025
6月
軍事衝突

「12日間戦争」― イランへの最初の空爆

米・イスラエルがイランの核施設を爆撃。6月25日に停戦合意。「12日間で終わった」とされたが、緊張は継続。

原油価格が一時的に上昇したが、停戦で落ち着く
2025
12月
国内情勢

イラン国内で大規模反政府デモ

空爆後の経済危機と混乱が深刻化。政府への不満が爆発したが、体制は維持。


2/28
開戦

米・イスラエル、イランへ大規模攻撃開始

最高指導者ハメネイ師が死亡。作戦名「壮絶な怒り作戦」。イランも反撃し、UAE・バーレーンの米軍基地を攻撃。

原油先物が即日10%以上急騰。市場が緊張

3/2
エネルギー

ホルムズ海峡が事実上の封鎖状態に

イラン革命防衛隊がタンカー通行を妨害。日本郵船・川崎汽船が通峡停止を発表。
日本の原油輸入の94%は中東依存、そのタンカーの8割がここを通る。

原油価格72→100ドル超
タンカー通峡停止
備蓄254日分は確保
3/9
家計直撃

ガソリン価格、4週連続で値上がり中

3月9日時点のレギュラーガソリンは前週比+3.3円の161.8円(経産省発表)。来週以降も毎週値上がりが続く見通し。

現在161.8円/L
NRI試算204円超も視野
今日
3/13
現在進行中

新最高指導者がホルムズ封鎖の継続を表明

停戦の兆しなし。原油価格100ドル超が続いている。日本株は急落、円安も進行。


A 早期停戦

数週間以内に合意 → 原油80〜90ドル台に落ち着く。ガソリン代の値上がりは一時的で収束。電気代への影響も限定的。

B 長期化

数ヶ月以上続く場合 → ガソリン200円超が続く。電気・ガス代が3〜4ヶ月後から値上がり(月額+800円〜)。食品・日用品も半年かけて値上がり。

C 拡大

湾岸諸国へ飛び火 → 原油150ドル超の可能性。ガソリン250円超、電気代・物価が全面値上がり。金融市場にも大ショック。

💡 今すぐできること

  • 変動金利ローンの方 → 固定金利との差額を今すぐ試算
  • 車通勤の方 → 月のガソリン代を把握して家計の余裕を確認
  • 「情勢が落ち着くまで待つ」より、準備を今から進めることの方が大切
背景解説

💬 そもそも、なんでアメリカは先に手を出したの?

「開戦した」と聞いて、まず疑問に思う人も多いはず。実はこれ、アメリカとイスラエルが先制攻撃を仕掛けたのが事実です。イスラエルのカッツ国防相も「先制攻撃」という言葉を使っています。

背景にある理由は主に3つ。①イランの核開発問題(核兵器を持たせたくない)、②外交交渉の決裂(2026年2月まで交渉を続けたが合意できなかった)、③トランプ政権の「力による平和」戦略(同年1月にはベネズエラにも軍事作戦を実施)。この3つが重なりました。

特に大きかったのが交渉の決裂です。アメリカはイランに「核開発の完全停止・弾道ミサイルの制限・ハマスなど地域組織への支援停止」の3点を要求。一方のイランは「制裁解除なしに応じられない」と譲らず、話し合いが行き詰まりました。

そしてイスラエルが「今しかない」とトランプ大統領を後押しした結果、2月28日の攻撃に踏み切ったとされています。国際社会の評価は分かれており、国連安保理でも緊急会合が開かれました。

※ この記事では「なぜ攻撃したか」の政治的な善悪には立ち入りません。日本の家計・暮らしへの影響に焦点を絞って解説します。

なぜ日本に関係するの?「ホルムズ海峡」という命綱

「中東の戦争なのに、なんで日本が影響を受けるの?」と思いますよね。これを理解するには「ホルムズ海峡(ほるむずかいきょう)」という場所を知る必要があります。

ホルムズ海峡って何?

ホルムズ海峡はイランとUAE・オマーンの間にある、幅約30〜50kmの細い海峡です。中東の産油国(サウジアラビア・イラク・クウェート・UAE・イランなど)からの石油を積んだタンカーが、ほぼすべてここを通ります。

世界の石油消費量の約20%が、毎日ここを通過しているんです。

日本との関係——原油の94%が中東から来ている

日本の原油輸入の94.0%は中東地域に依存しており(2025年貿易統計)、そのタンカーの約8割がホルムズ海峡を通ります。つまりホルムズ海峡が封鎖されると、日本が石油を買えなくなるんです。

項目 数字
日本の原油輸入における中東依存率 94.0%(2025年貿易統計)
ホルムズ海峡を通る日本向けタンカーの割合 約80%
ホルムズ海峡を通過する世界の石油量 世界消費量の約20%(2024年実績:日量1,420万バレル)
日本の石油備蓄量 約254日分(政府備蓄放出を検討中)

幸い、日本には約254日分の石油備蓄があります。数ヶ月程度の封鎖であれば、生活インフラがすぐに止まる事態にはなりません。ただ、価格への影響はすでに始まっています。

家計への影響——ガソリン・電気・物価はどうなる?

「で、結局うちの生活にどう影響するの?」というのが一番気になるところですよね。現時点で出ているデータをもとに、正直にお伝えします。

原油価格が2週間で約40%上昇した

開戦直前の2026年2月27日、北海ブレント原油価格は1バレル72ドルでした。それが3月9日には110ドルまで上昇(中東調査会データ)、3月12〜13日にはさらに約9%上昇して100ドルを突破しています(ロイター)。

わずか2週間で約40%の値上がり。これは過去の原油危機と比較しても、かなり急激な動きです。

ガソリン代——+20〜30円/Lの押し上げ圧力

エネルギーアナリストの試算によると、原油価格が100ドルを突破した場合、国内のガソリン価格は1リットルあたり20〜30円程度の押し上げ圧力を受けます。政府の補助金施策を考慮しても、180〜200円超えの局面が来る可能性があります(NRI野村総合研究所試算)。

車通勤の方・お子さんの送り迎えで車を使う方は、家計への直撃を感じやすいです。

物価(食料品・日用品)——+0.6〜0.7%の押し上げ

ガソリンが上がると、食料品や日用品を運ぶトラックの燃料費も上がります。その結果、スーパーで買う食品や日用品の値段も上昇します。試算では消費者物価指数(CPI)を0.6〜0.7%程度押し上げると予測されています。

「ただでさえ物価が高い」と感じていた方にとっては、さらに追い打ちをかける内容です。

電気代——数ヶ月後から上昇する可能性

LNG(液化天然ガス)のスポット価格指標(JKM)は、2月27日の1MMBtu=10ドルから3月6日には15ドルまで上昇(中東調査会データ)。LNGは日本の電力発電に使われる燃料のひとつです。

日本のLNG輸入契約の多くは原油価格連動型のため、原油高は時間差で電気料金の上昇にもつながります。影響が家庭に届くのは数ヶ月後からとみられています。

💸 家計へのインパクトまとめ

項目 影響 時期
ガソリン代 +20〜30円/L(試算) すでに上昇中
食料品・日用品 物価+0.6〜0.7%(試算) 数週間〜数ヶ月で反映
電気代 LNG価格連動で上昇見込み 数ヶ月後から
株・為替 日経平均下落・円安傾向 すでに動いている

家を買う・売るへの影響はある?

「移住や家の購入を考えているのに、こんな状況で動いていいの…?」という不安、すごくわかります。FP1級・宅建士の視点で、正直にお伝えします。

住宅ローン金利への影響——今のところ直接的な変化はない

住宅ローンの金利は、日本銀行の金融政策に大きく左右されます。今回の中東情勢が直接の引き金になって日本の政策金利が動く可能性は、現時点では低いと見ています。

ただし、長期化・拡大すれば円安が加速し、インフレがさらに進む可能性があります。そうなれば日銀が金利を上げざるを得ない状況になり、変動金利に間接的な影響が出るリスクはゼロではありません。

建材・工事費——上昇圧力がかかりやすい

エネルギーコストが上がると、建材の製造コストや工事車両の燃料費も上がります。今後、新築物件の価格がさらに上昇する可能性はあります。「買うなら早めに」という視点は、この観点からも理にかなっています。

不動産市場全体——今のところ大きな混乱はなし

日本の不動産市場は、今回の紛争で直接的に大きく動いているわけではありません。2011年の東日本大震災のときも、不動産市場への影響は限定的でした(その後むしろ千葉・埼玉など首都圏郊外の需要は底堅く推移)。

💡 宅建士・FP1級からの視点
「世界情勢が不安だから家の購入を見合わせよう」という判断は、必ずしも正解ではありません。生活コスト(家賃・光熱費)は上がり続けています。「いつか安定したら買う」を続けていると、買えるタイミングがどんどん遠のく可能性もあります。

一方で「焦って買う」のも禁物。ハザードマップの確認、資金計画の見直しなど、冷静に準備を進めることが大切です。

今後どうなる?3つのシナリオ

現時点で専門家が想定している今後のシナリオを整理します。どれが現実になるかは、誰にも断言できません。ただ、「こういう可能性がある」と知っておくだけで、心の準備が変わります。

シナリオA|早期停戦(数週間以内)

数週間以内に何らかの停戦合意が成立した場合、原油価格は80〜90ドル台に落ち着く可能性があります。ガソリン代の値上がりは一時的で済み、家計への影響も限定的になりそうです。

ただ、現時点(3月13日)では「停戦の兆しなし」というのが大方の専門家の見方です。イランの新最高指導者はホルムズ封鎖の継続を表明しており、短期解決は楽観視できません。

シナリオB|長期化(数ヶ月〜)

戦闘が数ヶ月続いた場合、原油価格が100ドル超で高止まりします。電気代・ガソリン代・食料品が本格的に値上がりし、家計への打撃が続きます。建材費の上昇で新築物件価格も上がる可能性があります。

実際の報道では、イランが「長期戦の準備ができている」と明言しており、このシナリオは十分ありえます。

シナリオC|拡大(周辺国への飛び火)

UAE・湾岸諸国への攻撃はすでに一部で起きています。全面的な拡大になれば、原油価格は150ドル超も想定されます。世界的な金融危機リスクも高まり、日本の株価・円相場に大きなショックが来る可能性があります。

カタールは「原油150ドル」の可能性を警告しており(Bloomberg報道)、最悪シナリオとして頭に入れておく必要があります。

📊 シナリオ別・家計への影響サマリー

シナリオ 原油価格 家計へのダメージ
A:早期停戦 80〜90ドル台に落ち着く 一時的・限定的
B:長期化 100ドル超で高止まり ガソリン・電気・食品が継続値上がり
C:拡大 150ドル超も想定 世界的金融危機リスク、株・円への大ショック

今、私たちにできること

「不安になってきた…でも何をすればいいの?」という方へ。パニックになる必要はありません。できることを淡々とやるだけです。

✅ 今すぐできるチェックリスト

お金まわりの整理

  • 毎月の光熱費・ガソリン代を把握しておく(値上がりを数字で実感するため)
  • 住宅ローンが変動金利の方は、固定金利との差額を試算しておく
  • 家計の固定費を見直す機会にする(サブスク整理・通信費など)

情報収集のコツ

  • NHK・時事通信・Bloomberg日本語版など複数ソースを確認する
  • SNSの「〇〇が起きる!」という断言系の情報は鵜呑みにしない
  • 外務省の海外安全情報(旅行者向けだが情勢把握に有効)も参考になる

家の購入・移住を検討中の方へ

  • 「情勢が落ち着いてから」と先延ばしにするのがベストとは限らない
  • エネルギーコスト上昇は「賃貸のまま待つコスト」も上げている
  • 資金計画・ハザードマップ確認など、準備は今からでも進められる

最後に一番大事なことを。今回の情勢は「遠い国の戦争」ではなく、家計に直結する話です。でも同時に、日本には254日分の備蓄があり、政府も対応を進めています。正確な情報をもとに、冷静に動くこと——それが今の私たちにできる最善です。

千葉への移住や不動産購入を検討されている方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

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📎 参考・出典

✍️ この記事を書いた人|ほげたろう

宅建士(2014年取得)・FP1級(2019年取得)保有。今は不動産テック企業でAIを使った不動産価格の査定システムを開発。「家を売るとき・買うときの情報格差をなくす」がミッション。飛び込み営業時代や不動産投資の失敗も含めたリアルな体験と、日々データと格闘するエンジニア目線の両方から「不動産ゼロからナビ」を運営。4人家族、地方在住。「難しそう」を「なんとかなる」に変える情報を発信中。

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