EV補助金×千葉移住の落とし穴|「都内で買って引っ越す」前に知る130万円の条件【2026】
「千葉に引っ越したら、やっぱり車は要るよね」——そう思って調べはじめた矢先に、「東京で買えばEVが実質260万円も補助される」なんて投稿を見かけて、ちょっとドキッとした方も多いんじゃないでしょうか。子育てしながら共働きだと、車選びにかけられる時間も限られていますしね。
先に結論をお伝えします。国からの最大130万円は本当で、千葉に引っ越してもそのまま使えます。でも「都内で買ってからすぐ千葉へ」という”裏ワザ”は、やり方を間違えると数十万円を返すことになりかねません。ここを知らずに動くと、もったいないんです。
私は宅建士(たっけんし/2014年取得)・FP1級(ファイナンシャルプランナー1級/2019年取得)を持ち、今は不動産テック企業でAIを使った不動産価格の査定システムを開発しています。補助金や名義まわりの「落とし穴」は、仕事でも自分の不動産投資でも何度も見てきました。
この記事を読めば、「どの補助金が移住後も使えて、どれが罠なのか」がスッキリ分かります。ムダな返金も、もらい損ねもなく、賢く一台を手に入れていきましょう。
「国130万+都130万=260万円引き」って本当なの?
国の最大130万円は本当。都の130万円は、2026年5月末に発表されたばかりの「補正予算”案”」の数字です。合計260万円は”条件がそろえば理論上ありうる最大値”であって、誰でも自動的にもらえる額ではありません。
まず、話題のもとになった数字を整理します。あの投稿で言われていた「国から130万円、都から130万円」には、それぞれ別の制度が関係しているんです。
国のぶん(CEV補助金)は、正式には「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」といいます。2026年1月の見直しで、EV(電気自動車)の上限が90万円から最大130万円へ引き上げられました。これは住んでいる場所に関係なく使える、全国共通の制度です。
都のぶん(ZEV補助金)は、東京都独自の「ゼロエミッション・ビークル車両購入補助」です。じつは2026年4月スタートの制度では上限は最大100万円で、しかも一般的なケースだと60万円前後が中心でした。ところが2026年5月29日、東京都が中東情勢によるエネルギー高対策などを含む542億円規模の補正予算”案”を発表し、EVの補助を30万円引き上げて最大130万円にする方針を打ち出したんです。「ガソリン車と同じくらいの価格で買えるように」という狙いだそうです。
都の130万円は、まだ「案」の段階。実際に使えるようになるには予算の成立が前提です。さらに「最大」の額には、V2H(車から家へ給電する設備)や再生可能エネルギーの電力契約といった上乗せ条件がついてくるのが通例。だれもが無条件で130万円、というわけではないんです。
| 区分 | 制度名 | EVの補助上限 | 住んでいる場所の条件 |
|---|---|---|---|
| 国 | CEV補助金 | 最大130万円 (2026年1月〜増額) | 全国どこでもOK |
| 東京都 (現行) | ZEV補助金 令和8年度 | 最大100万円 (上乗せ条件あり) | 都内在住・都内が使用の本拠 |
| 東京都 (補正案) | ZEV補助の 上積み案 | 最大130万円 (2026/5/29発表・成立前) | 都内在住・都内が使用の本拠 |
つまり、「国+都で最大260万円」という数字そのものは、条件がそろえば”理論上はありうる”話。ウソではありません。ただし都のぶんには、千葉移住を考えている人にとって見逃せない条件がくっついてくる。それが次の話です。
落とし穴。「都内で買って千葉へ」は返金になることがある
東京都の補助金には「4年間の処分制限」があり、その期間内に都外へ転居(住民票を都外へ移す)すること自体が”処分”扱いになります。引っ越すと、経過期間に応じて補助金を返すことになりかねません。
「都内で安く買ってから千葉に引っ越せば、ものすごくお得な買い方ができそう」——気持ちはすごく分かります。実際、SNSでも「都民が補助金で買って、都外の人に売ればいいのでは?」という声が出ていました。でも、ここに大きな落とし穴があるんです。
東京都のZEV補助金は、「補助した車を、都内で長く使ってもらう」ことが大前提。そのため処分制限期間(しょぶんせいげんきかん)というルールがあります。個人が自家用車として買った場合、初度登録の日から原則4年間(車種によっては3年)。この間に次のような行為をすると、原則として補助金の返納が必要になります。
- ✅車を売る・人に譲る(譲渡)
- ✅車を廃車にする
- ✅東京都の外へ転居する(住民票を都外へ移す)
- ✅車検証の「使用の本拠の位置」を都外に変更する
そう、引っ越しそのものが”処分”とみなされるんです。やむを得ず4年以内に手放す(または転居する)場合は、事前にクール・ネット東京(東京都環境公社)へ申請して承認を得たうえで、経過期間に応じた額を返納する——という流れになります。「都内で買ってすぐ千葉へ」だと、せっかくの都の補助が、まるごとペナルティで戻っていくイメージですね。
ちなみに「住民票だけ都内に残して、実際は千葉に住む」という”裏ワザ”を思いついた方もいるかもしれません。でもこれは住民票の置き方として適切とは言えず、子育て世帯なら保育園・学校・各種手当の手続きにも直結します。おすすめしません。正攻法でいきましょう。
じゃあ正解は?引っ越しのタイミング別に整理
「いつ千葉へ移るか」で正解が変わります。すぐ移住するなら都の補助はあてにせず、国の130万円をしっかり取りに行く。あと数年は都内に残るなら、4年乗り続ける前提で都の補助も狙う、です。
あなたの状況に近いほうで読んでみてください。
- 01 もう千葉移住が決まっている/1〜2年以内に動く人 都の補助金は4年縛りに引っかかるので、基本は”あてにしない”のが安全です。狙うのは国の最大130万円。これは引っ越し先が千葉でも問題なく使えます(理由は次の章で)。車は移住後、千葉で登録するのがシンプルでトラブルもありません。
- 02 移住は数年先/当面は都内に住み続ける人 このケースなら都の補助も現実的。ただし「最低4年は都内で乗り続ける」のが条件です。4年経てば処分制限は外れるので、その後に千葉へ移れば返納の心配はありません。「補正予算で130万円になるか」は予算の成立を待って、公式情報で確認してから動きましょう。
ポイントは、「補助金の金額」だけでなく「自分の引っ越し計画」とセットで考えること。ここを外すと、目先の数十万円を取りにいって、結局返すことになる——という残念な結果になりがちなんです。
東京の家を売って移住するなら、「今いくら?」を知るのが最初の一歩
ここまでクルマの話をしてきましたが、東京に持ち家マンションがある方は、引っ越しと同時に「売る」段取りも動きますよね。じつはこの売却も、クルマの補助金と同じで”順番”がものを言います。最初の一歩は、今の家がいくらで売れそうかを知ること——つまり査定です。
私は今、AIで不動産の査定額を計算するシステムを開発しています。この仕事をしていて思うのは、相場を知らないまま売り出すのが、いちばんもったいないということ。条件次第では数百万円単位で差がつくこともあります。査定は無料ででき、複数社をまとめて比べれば「自分の家の相場感」がつかめます。売ると決めていなくても、今の価値を知っておくだけで、移住の資金計画(新居の予算もクルマの予算も)はぐっと立てやすくなりますよ。
※査定の依頼は無料です。「まず相場を知るだけ」という使い方でも問題ありません。
国の130万円は、千葉に引っ越しても”ついてくる”
国のCEV補助金は住んでいる場所を問いません。保有義務は「その車を4年間ちゃんと持ち続ける」ことだけ。引っ越し自体はOKなので、千葉移住組こそ国の補助をフル活用するのが正解です。
ここが、この記事で一番お伝えしたかったところです。国のCEV補助金にも保有義務はあります。乗用車なら原則4年間(軽EVなどは3年)。でも都の補助と違うのは、禁止されているのが「売却・譲渡・廃車・用途変更」といった“車を手放す(使い道を変える)行為”であって、引っ越し(居住地の変更)は含まれていないという点です。実際、申請窓口の次世代自動車振興センターでも、購入後に転居した場合は「財産処分」ではなく住所変更の届出で対応する、という案内になっています。
言いかえると、「車をちゃんと4年乗り続けるなら、住む場所が東京だろうと千葉だろうと関係ない」ということ。だから千葉に移住する人にとって、国の最大130万円は”安心して取りにいける本命”なんです。やむを得ず4年以内に手放すときだけ、次世代自動車振興センター(NeV)へ事前に届け出て、残り期間に応じた返納が必要になる——というのは都と同じ考え方ですね。
子育て中だと「手続きが面倒そう…」と感じるかもしれませんが、CEV補助金は購入した販売店が申請をサポートしてくれるケースがほとんど。商談のときに「CEV補助金、申請手伝ってもらえますか?」と一言聞いておくと安心です。予算には限りがあり、達し次第その年度の受付は終了するので、買うと決めたら申請は早めが鉄則ですよ。
どの車ならいくら?対象になる車の具体例と”テスラ問題”
補助の対象はEV・PHEV・FCVなど「電気で走る系」の車。ただし「どの車でも130万円」ではありません。車のタイプとメーカーで額が変わり、ふつうのハイブリッド車やガソリン車は対象外です。
まず大前提として、国の補助金(CEV補助金)がもらえるのは、電気で走る系の車に限られます。代表的なのは4タイプ。純粋なEV(日産リーフやテスラ Model 3など)、外部から充電できるPHEV(プラグインハイブリッド)、水素で走るFCV、そして超小型モビリティ。逆に、コンセントから充電しないふつうのハイブリッド車(HV)やガソリン車は対象外です。ここは意外と間違えやすいので注意してくださいね。
そして2026年からは、同じEVでも「メーカーごとの評価」で補助額が上下する仕組みになりました。国は車両性能だけでなく、そのメーカーが「全国に充電インフラや整備・サポート網を整えているか」「電池を経済安全保障の観点で安定的に調達しているか」などを200点満点で採点していて、その点数で補助額が決まります。同じEVでも、メーカーによって数十万円の差がつくわけです。
| 車のタイプ | 代表的な車種(例) | 国の補助の目安 |
|---|---|---|
| 軽EV | 日産 サクラ など | 〜58万円 |
| 普通車のEV | 日産 リーフ/アリア、トヨタ bZ4X、テスラ Model 3 など | おおむね120〜130万円 |
| PHEV | 三菱 アウトランダー、トヨタ RAV4/ハリアー など | 84〜85万円 |
| FCV(水素) | トヨタ MIRAI など | 〜150万円 |
| 補助が少ない例 | BYD・ヒョンデ・一部の欧州ブランド | 大きく減(BYDは一律15万円程度まで) |
| 対象外 | ふつうのハイブリッド車・ガソリン車 | 0円 |
※グレードや年度途中の認定状況によって変わります。最新の正確な額は、次世代自動車振興センターの「車種別の補助金額一覧」で必ず確認してください。
「テスラはダメ」って本当? → じつは半分ウソでした
「テスラは補助金がもらえない」と思っている方、多いんです。でもこれは半分ウソでした。テスラは2026年も国の補助の対象で、Model 3なら約127万円。むしろ大きく下がったのは、BYD(中国メーカー)などのほうなんです。
カギは、さっきの「メーカー評価」。2026年4月の改正で「国内で生産計画の認定を受けた電池を使っているか」が大きな採点項目になりました。テスラはパナソニック製の電池を一定量使っているため、補助が高水準で維持されたんです。逆に、その条件を満たしにくいBYDやヒョンデ、一部の欧州ブランドは点数が伸びず、補助が大きく減りました。「外国メーカーだからダメ」という単純な話ではない、ということですね。
ただ、テスラにも弱点はあります。テスラ車はV2H(車から家へ電気を送る設備)に対応していません。東京都の補助で「最大◯万円」に届かせるには、このV2Hや給電機能の”上乗せ”が効くのですが、テスラはそこが付かないんです。つまり国の127万円はほぼ取れても、都の上乗せまでフルには乗りにくい。あの「テスラで実質260万円」という投稿は、この点と、先ほどの「4年間は都内に住み続ける条件」の2つで、満額はかなりハードルが高い——というのが正直なところでした。
千葉側の補助金は?正直、個人向けは手薄です
千葉県・千葉市とも、個人がふつうにEVを買うときの上乗せ補助は手薄です。あっても「太陽光発電とセット」などの条件付きで額も小さめ。だからこそ、移住組の主役は国の130万円になります。
「都の補助が使えないなら、千葉側に何か補助はないの?」——気になりますよね。調べた結論を正直にお伝えすると、千葉は個人の乗用車購入に対する補助が、東京ほど手厚くありません。
千葉県の次世代自動車向け補助は、タクシー・バス・トラックといった事業者・地域交通向けが中心。個人が普通車のEVを買って直接もらえる、という性格のものは限られています。市町村レベルでは制度がある自治体もあって、内容はバラバラです。たとえば千葉市の家庭向けは「住宅用の太陽光発電を併設していること」などが条件で、EV・PHVで15万円程度といった規模。一方で市川市のように、太陽光の条件なしで個人のEV購入費を補助する制度(令和8年度・2026年5月受付開始)を持つ市もあります。いずれも年度ごとに予算が決まっていて、すでに終了している回もあります。
このあたりは自治体や年度でコロコロ変わるので、移住先の市役所・町役場の環境系の課(ゼロカーボン推進室など)に「個人向けのEV補助、今年度ありますか?」と直接確認するのが確実です。期待しすぎず、「あればラッキー」くらいで考えておくと、がっかりせずに済みます。
補助金で数十万を取りにいくより、もっと大きな差がつく買い物があります
ここまで「補助金の数十万円をどう取るか」を見てきましたが、千葉移住でいちばん大きな金額が動くのは、じつは住まいそのものです。自宅の購入は、家計にとっては不動産投資とまったく同じゲーム。最初の「買い方」を間違えると、補助金の何十倍——数百万円から、ときに数千万円の差になって、あとからはどんな工夫をしても取り返せません。高く買ってしまったら、それで勝負はほぼ決まってしまうんです。
私自身、20年以上前にファイナンシャルアカデミーの不動産投資スクールで学び、その知識を土台に、これまで13件の不動産取引(自宅購入2件を含む)すべてで利益を出してきました。「自宅も投資の目線で買う」という考え方を持てたのが、いちばん大きかったと思っています。
このスクールには無料の体験講座があります。費用はかからず、無理な勧誘も一切なし。まずは話を聞くだけでも大丈夫です。不動産は気軽に買うものではありませんが、この体験講座のほうは気軽に受けてみてください。学んでから動くか、知らないまま動くかで、移住後の家計はびっくりするほど変わってきます。
※体験講座は無料です。受講を強制するものではなく、まず内容を知るためのものです。
まとめ|「お得」より「順番を間違えない」が大事
長くなったので、千葉移住×EV補助金のポイントをぎゅっとまとめます。
- ✅国の最大130万円は本当。しかも千葉に引っ越しても、車を4年持ち続ければそのまま使える(移住組の本命)
- ✅都の「130万円」は2026年5月末発表の補正予算”案”。成立前で、最大額には上乗せ条件あり。現行制度は最大100万円
- ✅都の補助は4年間の処分制限つき。都外への転居も”処分”扱いで、引っ越すと返納の対象になりうる
- ✅「都内で買ってすぐ千葉へ」は要注意。都のぶんはペナルティで戻ることになりかねない
- ✅千葉側の個人向け補助は手薄。条件付き・小規模が中心なので、移住先の自治体に直接確認を
- ✅「どの車でも130万円」ではない。車種・メーカーで額が変わり、テスラも対象(約127万円)だが、V2H非対応で都の満額は取りにくい
- ✅金額より「自分の引っ越し計画」とセットで考えるのが、いちばんの節約になる
あの「260万円引き」の投稿は、ウソではないけれど、千葉移住を考えている人がそのまま真に受けると損をしかねない——というのが正直なところでした。数字の大きさより、「順番を間違えないこと」が、結果的にいちばんお得な買い方につながります。あなたの移住が、いいスタートになりますように。
- 📎日本経済新聞|東京都、EV購入補助130万円に 中東情勢影響などで補正予算案(2026年5月)
- 📎東京都(都庁)|令和8年度 ZEV車両購入費補助 受付開始のお知らせ
- 📎次世代自動車振興センター(NeV)|CEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)
- 📎クール・ネット東京(東京都環境公社)|電気自動車等の普及促進事業(処分制限期間の手続き)
- 📎千葉県|次世代自動車等導入促進補助金
- 📎日刊自動車新聞(Yahoo!ニュース)|2026年4月からのCEV補助金、電池調達で明暗(メーカー別評価)
- 📎テスラ サポート ジャパン|補助金制度およびエコカー減税(Model 3のCEV補助額)
※補助額・条件は年度や予算の状況で変わります。とくに東京都の補正予算分は成立状況により変動するため、申し込み前に各実施機関(東京都はクール・ネット東京、国は次世代自動車振興センター)の最新情報を必ずご確認ください。
宅建士(2014年取得)・FP1級(2019年取得)保有。今は不動産テック企業でAIを使った不動産価格の査定システムを開発。「家を売るとき・買うときの情報格差をなくす」がミッション。飛び込み営業時代や不動産投資の失敗も含めたリアルな体験と、日々データと格闘するエンジニア目線の両方から「不動産ゼロからナビ」を運営。4人家族、地方在住。「難しそう」を「なんとかなる」に変える情報を発信中。
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